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あしかがフラワーパークの藤 その1 (H30.4.22)


あしかがフラワーパークでは、「8つの花の季節」が設定されており、それぞれのステージで数百株の花木が季節を彩り、年間を通じて花を楽しむことができます。
しかし、「世界が息を呑んだ美しさ」がキャッチフレーズになっているあしかがフラワーパークのメインの花は、やはり「ふじのはな物語」の主役の藤だということができます。
足利フラワーパークでは、4月中旬〜5月中旬には「ふじのはな物語」が設定されています。


ふじのはな物語
藤と言えば日本古来の花木と言われ、万葉集にも歌われています。
その日本を代表する原種・野田藤、色ごとに、うすべに藤、むらさき藤、長藤、八重の藤、白藤と順に花を先送ります。最後は日本では栽培が難しいと言われているきばな藤(マメ科キングサリ属)と1ヶ月以上も藤の花がお楽しみになれます。

600畳敷の大藤棚3面と世界でも珍しい八重の大藤棚、庭木仕立ての藤、80mにも渡って続く藤の花のトンネル(白藤、きばな藤)、そしてスクリーン仕立て、池に映る水鏡効果の夜の藤達と、この世のものとは思えない程の息をのむ美しさです。移送の上、植栽した20年前の72平方メートルの藤棚も10倍以上の1000平方メートルにも拡がり、世界一美しい藤といわれるほどになりました、この生命力と美しく幻想的な世界をお楽しみいただければと存じます。




「ふじのはな物語」で紹介されているように、あしかがフラワーパークには4本の大藤棚があります。
平成8年(1996年)2月、大藤棚の4本が足利市朝倉町から20kmの移送の上、現迫間町に植栽されました。
藤は移植が比較的容易な樹種といわれていますが、それでも根元の径が60cm程度までというのがこれまでの常識のようです。

しかし、日本女性樹木医第1号であしかがフラワーパークの園長である塚本こなみさんによって、根元の径90cm前後の藤の移植に見事に成功しました。
そして20年の歳月が流れ、20年前72平方メートルであった藤棚も、現在では10倍以上の1000平方メートルまで拡大し、世界一美しい藤といわれるほどになっています。





あしかがフラワーパークの最大の見物である野田の9尺藤(大藤)は、樹齢145年を超える長藤です。
幹回りは4.05mあり、4月下旬から5月上旬には、最長180cmもの花房を、畳600畳(南北36.3m、東西33.4m)の棚いっぱいにつけてくれるのです。
2007年8月に栃木県の天然記念物に指定されました。

この大藤棚の隣りに、もう1本のノダナガフジあり、この藤も樹齢145年です。
幹回りは5.15mあり、4月下旬から5月上旬には、最長180cmもの花房を、畳600畳(南北35.8m、東西37.14m)の棚いっぱいにつけてくれるのです。
2007年8月に栃木県の天然記念物に指定されました。

2本の藤は年々成長を続けており、2つの大藤棚は現在ではつながっています。
2本合わせて1200畳以上に広がった大藤の佇まいです。
2本目の大藤棚(ノダナガフジ)は、藤棚の周りを一周することができ、2つの大藤棚をあわせてみることが角度もあります。
1200畳以上の大藤棚を下から眺める景観は、まさに壮観といえます。
「世界が息を呑んだ美しさ」と表現されるのも頷けます!




3本目の大藤棚(大長藤)は、西ゲートの近くにあります。
この藤も樹齢145年で、幹周り3.95mです。
花房は最長170cmですが、園内で花房が一番長くなる野田の長藤です。

平成8年の移植時に72平方メートルだった藤棚は、20年の時を経て、当初の10倍以上の1000平方メートル(南北34.5m、東西30m)にもなり、現在も成長を続けています。
2007年8月に栃木県の天然記念物に指定されました。

この大長藤は、藤の根元を保護するための立ち入り禁止区域が比較的狭いため、花房の下に入って藤を眺めることができます。
多くの人が花房の下で、記念写真を撮っていました。
また、大長藤の隣にある古代蓮池の中にいくつもの散策路が設定されており、散策路を歩きながら、異なった角度から大長藤を眺めることができます。






大藤棚の最後の1本が大変に珍しい八重咲きの藤、八重黒龍の藤棚です。
八重黒龍は、野田藤系の黒龍藤の突然変異といわれている八重藤です。
この八重黒龍も早川農園から移植されたものです。

樹齢145年で、幹回りは2.5mあり、4月下旬から5月上旬に開花します。
花房は30cmで、500畳(南北34.5m、東西25.4m)もの広さの棚に花を咲かせます。
八重の藤棚としては日本一だそうで、2007年8月に栃木県の天然記念物に指定されています。

濃い紫色の、長さ25cmほどの八重の総状花序で、香りが強く、花をポプリとしても使用するそうです。
少し遠くから見るとブドウの房の様にも見えます。
八重黒龍の藤棚の下にいると、「何という名前の藤だろう」「ぶどうのようだね」「はじめてみました」といった声が連続して聞こえてきます。










白藤のトンネル
うす紅藤、むらさき藤に続いて3番目に咲くのが白藤です。
あしかがフラワーパークには、白藤の古木が絡み合ってできたトンネルがあります。23本の藤の木で構成された長さ80mの白藤のトンネルです。
栃木県の天然記念物に指定されています。

白藤のトンネルに近づくと「うわーきれい、すごくきれい」という声が続いておこっています。
「きれい」という言葉以外は見つからないような、きれいコールの連発です。
今年は花の開花が早く、あしかがフラワーパークの藤も随分早く開花しましたので、4月22日(日)に訪ねることにしました。例年よりも10日以上早い時期です。
むらさき藤は見頃ですが、白藤には少し早かったようです。

白藤のトンネルの中にはいると甘い香りが漂っています。
見頃には少し早かったですが、トンネルの中の房も伸びつつあり、良い香りが漂っていました。
やさしい香りに包まれて歩く80mの白藤のトンネルは格別のものがあります。
トンネルの外側からも見頃に咲き誇る白藤を見ることができます。トンネルの外側はあまり混雑しないため、ゆっくり鑑賞することができます。





むらさき藤のスクリーン
「白藤のトンネル」を抜けた右手に「むらさき藤のスクリーン」があります。
むらさき藤のスクリーンも見頃には少し早かったです。
ここが逆光になるため撮影が難しかったですが、裏側からは咲き誇る藤を撮影することができました。





白藤の滝
「むらさき藤のスクリーン」から大長藤の方向(西ゲートの方向)に50mほど進むと、左手に白藤の滝があります。
散策路は白藤の滝を裏側から見ることになります。

白藤の滝の表側は自然池になっており、滝が池に流れ落ちるという構成です。
滝のそばに近づくことはできず、自然池の反対側から眺めることになります。
まだ、木が若いのでボリューム感はないとのことです。今年は見頃少し前でした。




きばな藤のトンネル
きばな藤は、一般的にはキングサリとして知られている花で、フジのような房に鮮黄色の蝶形花が咲くので、日本では別名をキバナフジと称しています。
ヨーロッパではたいへんにポピュラーな春の花木で、房の長さは20〜30cmとフジよりは短いのですが、揃ってたくさん咲くのでかなり豪華だそうです。
藤とは異なるキングサリ属です。
キングサリ属の中では最も大きな花と長い花房を兼ね備えた花だそうです。
日本に来たのが昭和40年代といわれています。

あしかがフラワーパークでは、日本の別名「きばな藤」をとって、「きばな藤」と呼称しています。
きばな藤は、「ふじのはな物語」の最後を飾る花です。
足利フラワーパークには200本のきばな藤が植裁されています。
きばな藤の見頃はゴールデンウィーク明けということで、今年は殆ど開花していませんでした。




うす紅藤
足利フラワーパークで最初に開花する藤で、4月中旬に見頃を迎えます。
全国各地に販売されている紅藤(園芸改良品種)とは異なる、野田藤の淡い紅色の、花房が40cm程度の優しい感じのする藤の花です。
入り口から入った池の周囲を取り囲むようにうす紅藤棚があり、その下にベンチが置かれていることから、うす紅藤を眺めながら休憩したり、食事をしたりすることができます。

また、八重国龍の藤棚の傍に、「バラの咲く島」に渡る曲線状の橋が架かっています。
「うすべに橋」です。
この橋の上にうす紅藤の藤棚があります。
今年は見逃してしまいました。






関連するホームページ

 あしかがフラワーパーク


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