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真壁のひな祭り その1 (H30.2.18)


潮田家住宅のひな飾り


真壁は茨城源の西部に位置し、地元で産出する真壁御影石による石材加工業と農業が盛んな町です。
真壁の町割りは、戦国時代末期に真壁氏の時代に形づくられ、江戸時代初期の浅野氏時代に完成したといわれています。枡形と呼ばれる城下町特有の交差点が現存し、その町割りの中に、見世蔵などを中心に歴史的建造物が数多く残されています。
現在、99棟が国の登録文化財となっており、平成22年には、この真壁地区が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
全国で87地区目、関東地方では4地区目、茨城県では初となります。

平成15年2月にはじまった「真壁のひなまつり」は、今度で16回目を迎えます。したがって、ひな祭りの愛称も「和の風第16章」となっています。
今年も、開催期間は2月4日(日)〜3月3日(土)です。
「寒い中、真壁に来てくれた人をもてなそう」。そんな一言から始まった真壁のひなまつり。
見世倉・土蔵などが軒を連ねる風情豊かな町並みの真壁町に、約160軒の家がひな人形を飾る一大イベントです。
町の各地に展示しているひな飾りは、数百年前の由緒あるひな人形や現代作家の作品、はたまた石で作られた変わり種まで、愛らしいひな人形が歴史ある街並みに飾られています。



大吉屋のひな飾り







シャトルバスの終点の「真壁高上町駐車場」に臨時の案内所が設置されていて、ひな祭り会場の大きな地図が配布されています。この地図にはイベントに参加している約160軒がすべて記載されており、地図を見ながら散策できます。
駐車場から旧真壁郵便局、下宿場の辻を経由して先ず大吉屋、引き続いて「鍋屋(西岡本店)」を訪ねました。西岡本店まで駐車場から約15分です。

西岡本店は、真壁町の中心部の南部、かつての田村字鍋屋前にあり、小田部鋳造と道路を挟んで対峙しています。
広い敷地には、大小さまざまな建物が建ち並んでいますが、東側の道路に面して連続した家並みの景観を造っています。



西岡本店







「花の井」の銘柄で知られる西岡酒造の創業は天命2年(1782年)で、滋賀県日野町から真壁に進出して製造業を始めたと伝えられています。代々半右衛門を襲名し当主で7代を数え、創業から230年余を経過しています。
当初は真壁町大字桜井で醸造を行っていましたが、明治末期に現在地の、もと清水屋酒造の土地と建物を第二工場として買収し、戦後はこの地を本拠地に醸造を続け今日に至っています。

店舗はかつては広い土間を持ち、杜氏や使用人の宿泊に充てられていました。
また、脇蔵は白米蔵として、米蔵は玄米蔵として用いられています。
西岡本店の店舗2棟の土蔵は、いずれも明治期あるいはそれ以前に建築されたもので、改造された部分もありますが、当時の醸造場を知る貴重な遺構です。
真っ暗な土蔵の中の酒蔵ひなは、幻想的で見応えがありました。







西岡店舗から約10分で真壁の中心部の「下宿」です。下宿通りと通称「御陣屋前通り」の交差点「下宿場の辻」の北西角に「潮田家住宅」、北東角に「高久家住宅」があります。
真壁町のほぼ中心に位置する潮田家住宅は、江戸末期には呉服・荒物・雑貨商を営んでいた名家です。
明治時代にはその業績を一段と拡大し、「関東の三越」と呼ばれるようになりました。
真壁では初めて登録文化財として認定された町家で、歴史を感じさせるその重厚な外観を誇るその建物は、道行く人々の目を引いています。

潮田家住宅では、江戸時代から昭和にかけての、個性豊かなひな人形を楽しむことができます。特に珍しいのは明治時代の「狆引き官女(ちんびきかんじょ)」で、愛らしい女官が楽しげに犬を連れている、微笑ましいひな人形です。2体飾られています。
50体以上のひな飾りがずらりと並ぶ姿は圧巻ですが、この飾り付けには数日かかるとのことです。



潮田家住宅






北東角の「高久家住宅」は下宿通りに面して店舗を開いています。
高久家が関西から真壁に移り住んだのは、16代前と伝えられていますが、当初の職種やいつ頃からこの地に店を構えたかは明らかではありません。先代までは肥料商を営んでおり、現存する店舗は先代が生まれる前から存在していたといわれています。部材の古さからみても明治期に建築されたものと考えられます。戦後は商売を止め、平成9年までは住居として使用されていました。

高久家住宅は、観光案内所としても利用されており、建物内には、真壁のご当地キャラクター「いしおさん」の愛らしいおひな様も見られます。いしおさんを生み出した、真壁の「石匠の見世蔵」の出店場所でもあり、石の街・真壁の魅力を伝えています。
ひなまつり期間中の土曜・日曜限定で「いしおさんまんじゅう」も販売されています。


高久家住宅






高久家住宅から下宿通りを30mほど東に進むと「伊勢屋旅館」です。
伊勢屋旅館は江戸末期までは「勢州楼」という、真壁で最も名の知れた料亭でした。玄関を入ると、豪華な座敷飾りがお出迎え。今年は平成13年に作られた7段飾りと、昭和21年に作られた手作り木目込み人形を飾っています。
主役を務めるひな人形の他に、吊るし雛や可愛いぬいぐるみなど、観光客を楽しませてくれる工夫を凝らしています。



伊勢屋旅館





伊勢屋旅館から100mほど進んだ右手が「村井醸造」です。
桜川の地酒「こうめい」を醸す蔵元です。
村井醸造で保存されていたひな飾りと一緒に、絵画などを展示しているのも特徴です。
趣のある酒蔵の雰囲気の中に飾られたひな人形は、まさに伝統的な和のアートです。
お酒の試飲もできます。



村井醸造





下宿の東側が上宿です。上宿にも歴史的建造物が数多く残されています。
上宿十字路を左折して200mほど進んだ右手が「西岡商店」です。通りから少し奥に入って門柱を設けています。西岡本店の酒造蔵として建設され、明治後期からは味噌、醤油の醸造と西岡本店の酒販に使用されていました。
現在は西岡本店の支店という位置づけのようです。純米酒「真壁」、特別純米酒「花の井桜川」、本醸造「正気原酒」が入った真壁の地酒3本セットが人気の商品とのことです。



西岡商店





西岡商店の先の交差点を左折して数件目が「江戸初」です。「江戸初」は呉服店ですが、店の奥にひな人形の展示が行われています。
商品の撮影か禁止ですが、展示されているお雛さまの撮影はOKでした。



江戸初




江戸初から少し進んだ三叉路を左折して100mほど進んだ左手が真壁伝承館・歴史資料館です。
真壁伝承館・歴史資料館は公民館機能・図書館機能・資料館機能を持つ複合施設で、平成23年に新規開館しました。

真壁伝承館はかつて真壁陣屋(江戸時代の役所)があった地に建っています。
資料館では桜川市内の通史的な展示に加え、真壁の町並みとそのルーツである真壁城、そしてこの地にあった真壁陣屋を中心とした展示が行われています。



真壁伝承館




アクセス
ひな祭りの時期には、TX筑波駅から真壁までの路線バスが運行されています。ただし、筑波山口で乗り換えとなります。
平成30年は、2月17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)の4日間のみ、TXつくば駅〜真壁間をバス「真壁のひなまつり号」が運行されていました。
また、JR岩瀬駅からバス「和の風号」が運行されました。


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