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見沼の田んぼ桜回廊 (H30.3.30)


見沼の田んぼ桜回廊


今年は3月下旬の気温が高かったことから、さくらは開花から満開までの期間が短く3月28日には満開宣言がありました。
埼玉は見頃の時期が少し遅いのではないかと思いましたが、3月30日に見沼田んぼを訪ねたところ、すでに花吹雪が舞い始めていました。

見沼田んぼは、東京都心から20〜30km圏内に位置しており、約1260ヘクタールという広大な面積をもつ、首都近郊における貴重な大規模緑地空間です。
さいたま新都心駅や大宮駅などの主要駅か2〜3kmという近さにありながら、たんぼや畑、雑木林、河川や見沼代用水によってつくられる田園風景と、生きものを育む豊かな自然が現在も残されています。
この地域の歴史はとても古く、独特の文化・伝統が継承されていることも特徴の一つです









伊那一族による荒川、利根川の治水と見沼溜井の造成

江戸時代初期、利根川と荒川は現在の越谷付近で合流しており、氾濫を繰り返していました。この両川を引き離し、その跡を一大水田地帯にする大土木工事が行われました。
利根川は文禄2年(1594年)から60年かけて、流れを少しずつ東に移動していく工事が行われました。
これを利根川東遷といいます。この工事により、それまで東京湾に流れ込んでいた利根川は、銚子で太平洋に注ぐようになりました。

荒川は寛永6年(1629年)、熊谷の久下で元荒川を締め切り、流れを西に移し入間川・隅田川を通じて江戸湾に注ぐ流路に変えました。これを荒川西遷といいます。
これらの工事によって
これらの工事によって大河川が遠のいた跡の池沼地帯では、耕地を広げるため池沼の水を排水する落川や農業用水を貯めておく溜池がいくつも造成されました。
これらの土木事業を行ったのは、伊那備前守忠次を始めとする伊那一族です。忠次の次男半次カは荒川を付け替えた同年に、現在のさいたま市東部に拡がっていた見沼の東岸と西岸が最も近づく附島(緑区)と木曽呂(川口市)の間に約8丁の長さから「八丁堤」と呼ばれる堤を築き、見沼に流れ込む水を貯留しました。
これが「見沼溜井」です。









井沢弥惣兵衛による見沼代用水造成

見沼溜井から水を引く「見沼用水」のお陰で周辺の水田開発が進みました。しかし次第に見沼溜井だけでは水が不足するようになりました。
その後享保12年(1727年)徳川吉宗の命を受けた井沢弥惣兵衛が、新たに利根川から用水を引き、見沼溜井は干拓して新田開発し、排水路として中悪水路(現芝川)を掘削する工事を行いました。見沼田んぼの誕生です。
利根川から引かれた水は、見沼に代わる用水なので「見沼代用水」と呼ばれました。見沼代用水は、取水口の利根川から見沼まで全長60Km、そこからかつての見沼用水につなげましたから、末端は現在の東京都足立区まで84.5kmにも及びました。

見沼代用水は、利根川から見沼たんぼまで多くの水路や道路を横断しなければなりません。そのため、川の下に水路をくぐらせる伏超(ふせごし)53基、川の上に水路を渡す掛渡井4基、関枠(取水口)は大小合わせて164基、主要な橋は(石橋・土橋合わせて)90個所も設置されました。
特に元荒川をくぐらせた伏越、綾瀬川の上を渡した掛渡井は、重要構造物として知られています。








見沼代用水による灌漑の仕組み

見沼代用水は、利根川から取水し、綾瀬川を越えた直後に台地の縁に沿って東西2本に分流します。西側の台地に沿って掘削された見沼代用水西縁(全長約22Km)と、東側の台地に沿って掘削された見沼代用水東縁(全長約16km)です。

見沼代用水は干拓して開発した水田に水を入れたのち、低地を流れる芝川に排水する仕組みをとりました。
この工事により見沼新田だけでなく、その周囲も含む、多くの村に用水を供給することができるようになりました。








サクラサク見沼田んぼプロジェクト

見沼代用水沿いには、これまでも団体や市民による桜の植樹が行われ、見事に咲き誇る桜回廊が約18.2kmもありました。その運動を継承し、さらに植樹することで総延長20Kmを超える日本一の桜回廊を目指すため、平成25年にスタートしたのがこのプロジェクトです。桜回廊は市民・団体・企業などからの寄付により行ってきました。そして平成29年3月、見沼代用水西縁・東縁・見沼通船堀に連なる桜回廊の総延長は20Kmを超え、桜の下を散策できる日本一の桜回廊となりました。

今回は、前半は東浦和駅から見沼代用水西縁を散策し、見沼氷川公園で昼食後、東縁に移動し見沼代用水東縁を見沼自然公園まで散策しました。
散策距離は約10Kmです。









アクセス

 スタートする地点で異なります

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