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東慶寺のイワガラミとイワタバコ (H30.6.4)


東慶寺は今から約730年前、弘安8年(1285年)に、鎌倉幕府第8代執権北条時宗の夫人の覚山志道尼が開創しました。
封建時代、夫から絶縁状をもらわない限り、妻から離婚できなかった時代に、当寺に駆け込めば離縁できる女人救済の寺として明治に至るまで600年の永きにわたり、縁切りの寺法を引き継いできました。
後醍醐天皇の皇女・用堂尼の入寺以後は、松岡御所と称され、寺格の高い尼寺として名を馳せるようになり、室町時代には鎌倉尼五山第二位列せられていました。

明治4年(1871年)には縁切りの寺法は廃止となり、尼寺の歴史も明治35年(1902年)に幕を閉じました。 明治38年(1905年)に釈宗演禅師が入寺、中興開山となり、新たに臨済宗円覚寺派の禅寺としての歩みを始めました。

境内にはウメやハナショウブ、アジサイなどさまざまな花が植えられ四季を通じて楽しむことができます。
学者や作家の墓が多いことでも有名で、鈴木大拙、西田幾太郎、岩波茂雄、阿倍能茂、高見順、小林秀雄などの墓があります。






東慶寺では、毎年5月下旬〜6月上旬に本堂裏の岩肌を覆い尽くすイワガラミが一般公開されます。今年はイワカガミの開花が早いため例年よりも10日ほど早い、5月19日(土)〜6月10日(日)の間に、特別公開されました。
6月4日に明月院のあじさいを見た後、東慶寺を訪ねたところ見頃を迎えていました。

イワガラミは日本各地の岩崖や林縁に自生し、幹や枝から気根を出して高木や岩肌に付着し、絡みながら這い上り、高さ10m〜15mになります。
東慶寺のイワカガミは、約30年前にいただいた苗木を本堂裏の崖下に植えたところ、長い年月を経て崖一面を覆うほどに成長し、毎年花を咲かせているとのことです。
本堂の裏に一面に広がるイワカガミはまさに壮観そのものでした。









この時期、鎌倉では東慶寺、円覚寺、建長寺、成就院、長谷寺などでイワタバコを見ることができます。
イワタバコは、イワタバコ科の多年草で、湿った岩肌に着生します。花が美しいので山草として栽培もされます。
岩肌に咲き、葉がたばこに似ていることからこの名前があります。
また若葉は食用にすることができます。

東慶寺では境内の奥の方の岩肌にはイワタバコが群生し、見事に花を咲かせます。
群生するイワタバコの量としては鎌倉随一です。
イワガラミとほぼ同時期に見頃を迎えることから、6月上旬の東慶寺は多くの観光客で賑わいます。










アクセス

 北鎌倉駅から徒歩5分

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