しかしながら、明治以降は、正月用品の購入も通常の店屋で用を足すようになり、歳の市の面影は次第にすたれて来て、現在では江戸末期から流行し始めた羽子板市に重点が移っています。
これは羽子板でつく「おい羽根」が害虫を食べる「トンボ」に似ているため、悪い虫がつかないとか、またそのかたい「豆」(むくろじ)の部分から「魔滅(まめ)」にあてられ魔除けになる、あるいは「マメに暮らせる」などの縁起を担ぎ、江戸後期の頃から女子の誕生した家に羽子板を贈る風習ができました。
これによって羽子板を正月の縁起物として「歳の市」で扱う店が増えていったからだと伝えられています。
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