サギソウ伝説
今から400年以上も昔、世田谷城主・吉良頼康には奥沢城主・大平出羽守の娘で常盤という美しい側室がいました。常盤姫は頼康の愛を一身に集めていましたが、それをねたましく思った側妾たちは、つくり話によって頼康につげ口をしました。度重なるつげ口から頼康もそれを本気にして常盤姫に冷たくあたるようになりました。愛情を疑われ、悲しみにくれた姫は死を決意し、幼い頃からかわいがっていた白さぎの足に遺書を結びつけ自分の育った奥沢城へ向けて放しました。
白さぎは奥沢城の近くで狩をしていた頼康の目にとまり、矢で射落とされてしまいました。白さぎの足に結んであった遺書を見て初めて常盤姫の無実を知りいそい
で世田谷城に帰りましたが、すでに姫は息をひきとっていました。
その時、白さぎの血のあとから、一本の草が生え、サギに似た白いかれんな花を
咲かせました。これがサギソウと呼ばれるようになったのです。
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