昨年8月25日、東京湾鋸山西方の海上(水深200m等深線付近)で人力操舵に切り替え中、正に突然前方至近距離にクジラ(約4m)がフワリと出現した!
すかさず「面舵一杯」を令したが・・・舵は効かない。艦橋内は一瞬シーンとなり、右舷にいた見張りが無事かわった旨報告があり皆がホットした。本試験は当日の最後の試験で薄暗くなっており気がなんとなく進まなかった。
更に9月8日、館山湾口北(またも水深200m付近)で前方に「かすかに潮を吹いているクジラを発見した。乗船者のうちあるメーカーの社員が「もっと近くに行って〜! 写真を撮りた〜い!」という。(ふざけるな!遊びではないぞ〜と怒鳴りたい気持ちを押さえて試験を続行した)。
その後暫く薄暮時には海面に浮かぶ棒切れまでクジラに見えて困った。
更に更に11月、相模湾で試験中、距離約4マイルを逆三角形の尻尾を空中に出しているクジラをまたメガネで確認できたが、誰にも言わずに言葉を飲み込んだ。
先輩から「ゲールウオッチングは相模湾で出来た」という話を聞き半信半疑であった。まさか自分の海上運転で遭遇するとは夢にも考えなかった。
巡視船など高速をだす海上運転には十分に注意をする必要があると痛感している。
(第1話 おわり) 宗吾郎
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